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素手で蝋を塗り重ねる 愛媛・和蝋燭「大森和蝋燭」
2026.05.13
素手で蝋を塗り重ねる 愛媛・和蝋燭「大森和蝋燭」

大森 亮太郎

大森和蝋燭屋 7代目。和蝋燭の製造を行い、伝統的な「生掛け製法」を守りながら日々の仕事に向き合っている。

和蝋燭

竹串に芯を通し、溶かした木蝋を一本ずつ手で塗り重ねる「生掛け製法」によって成形される。素材には櫨の実から採れる木蝋が用いられる。用途は主に照明や祈りの灯りとして用いられ、生活や儀式の中で使われる。

愛媛県内子町。江戸時代に木蝋の生産地として栄えたこの町に、四国で唯一残る和蝋燭店「大森和蝋燭屋」がある。ハゼの実から採れる木蝋を素手ですくい、灯芯に塗り重ねる「生掛け」の技法。一本の和蝋燭が形になるまでの、職人の手仕事。

自然の恵みと人の手が、一本の灯りになるまで

愛媛県内子町。江戸時代から明治時代にかけて木蝋の生産で栄え、当時の繁栄を伝える白壁の町並みが今も残る。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されたこの町の一角に、四国でただ一軒となった和蝋燭店「大森和蝋燭屋」がある。
和蝋燭づくりは、芯となる「灯芯」をつくることから始まる。竹串に和紙と灯芯草(イグサの髄)を巻きつけ、真綿で止めて完成させる。その芯に、ハゼの実から採れる植物由来の「木蝋」を塗り重ねていく。
工程の核となるのが「生掛け」と呼ばれる伝統技法だ。40〜45℃に溶かした木蝋を素手ですくい上げ、灯芯を手のひらで転がしながら蝋をすりつけていく。木蝋は融点が低く、温度管理が仕上がりを大きく左右する。だからこそ職人は素手で温度を感じ取り、その日の湿度や乾燥に合わせて作業を進めていく。
塗っては乾かし、塗っては乾かし、何度も繰り返して少しずつ太くしていく。仕上げに手のひらの摩擦で表面に艶を出し、あえて縦線を残すことで樹木のような質感に仕上げる。最後に温めたコテで芯を出し、一本一本の長さを揃えれば和蝋燭の完成だ。
#Artisan#職人#和蝋燭#愛媛#内子町#技術#歴史#文化#伝統
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